あるところにシンデレラと呼ばれる少女が居ました。
彼女は意地悪な継母とその娘の二人の義姉に苛められていました。
召使のような格好をさせられ家の仕事をする毎日。
そんな時シンデレラの家に舞踏会の招待状が届きました。
しかし、意地悪な継母達は連れて行ってはくれません。
シンデレラが一人泣いているとそれを不憫に思った魔法使いが現れました。
そして、シンデレラに馬車とドレスと硝子の靴を与えるとこう言いました。
「魔法が解けるのは十二時。十二時を過ぎると召使の姿に戻ってしまうよ」
シンデレラはその言葉を胸に、舞踏会へと向かいました。
そして、シンデレラは舞踏会へと行き夢のような時間を過ごしました。
美しいドレスを身に纏い王子様と踊りました。
しかし、時間は進みます。
時計は十二時を告げシンデレラは舞踏会を後にします。
その時に硝子の靴を落としてしまいましたがそんなの気にしていられません。
そのままシンデレラは家に帰ります。
しかし数日後、奇跡が訪れたのです。
王子様が落とした靴を頼りに家に来たのです。
シンデレラが靴を履くと靴はピッタリ。
そして、シンデレラと王子は結ばれたのです。
その様子を継母と義姉は恨みがましそうな目で見ていました。
これが、シンデレラの物語。
そして、物語はハッピーエンドで終わり。
の、はずですが、本当にそうなのでしょうか?
そんな簡単に終わるのでしょうか?
・・・ここまでいえば分かりますよね。
そう、簡単に終わるわけがない。
これは、シンデレラの物語の後の話。
少し変わった視点で物語を見るのも面白くないですか?
(今日はいい天気ね)
空を見ながら女は思った。
(こんなめでたい日にはピッタリだわ)
目の前では今盛大な結婚式が行われている。
この国の王子の結婚式だ。
その隣に居るのは茶色の巻き毛を持った少女だ。
彼女の名前はカノン。
シンデレラと呼ばれ、意地悪な継母と二人の義姉に苛められながらもその苛めに負けず見事、王子の心を射抜いた少女だ。
カノンの横には女の母親と姉が笑顔を引きつらせながら居る。
一応カノンの保護者なのだから当たり前だろう。
何故女の母親と姉がカノンの保護者なのかっって?
答えは簡単。
二人がカノンの継母と一番上の義姉だからだ。
(本当、素敵な空ね)
また空を見ながら女、カノンの二番目の義姉は思った。